不倫の慰謝料はいくらか。相場と、金額が動く理由
「300万円」という数字をよく見かけますが、これは上限に近い側の金額です。実際の裁判例はもっと幅があり、何によって動くかは決まっています。
離婚したかどうかで、桁が変わる
いちばん大きく効くのが、その夫婦が離婚に至ったかどうかです。離婚した場合はおおむね100万〜300万円、離婚しなかった場合は50万〜150万円あたりが裁判例の目安として挙げられています。
婚姻関係が壊れたことまで損害に含まれるかどうかで、評価が変わるためです。同じ行為でも、結果が違えば金額が違います。
金額を動かす事情
期間の長さ、回数、子どもがいるか、婚姻期間がどれくらいだったか、関係を主導したのはどちらか。こうした事情が積み上がって金額になります。
逆に、夫婦関係が既に壊れていた場合は減ります。別居していて実質的に終わっていた関係なら、「壊すべき関係がもう無かった」という評価になり、請求そのものが認められないこともあります。
請求される側が2人いる
不貞行為は配偶者と相手の2人で行った行為として扱われるため、2人がまとめて全額を支払う義務を負う関係になります(不真正連帯債務)。どちらに全額を請求することもできますが、合計で総額を超えて受け取ることはできません。
ここで知られていないのが求償権です。仮に総額200万円で、負担割合が半々だとして、相手のほうが全額を支払った場合、その人は配偶者に対して100万円を請求できます。示談書でこの求償権を放棄する扱いにするかどうかは、実際の負担額を左右します。
時効には2つある
請求できる期間は民法724条で決まっています。不貞行為と相手が誰かの両方を知った時から3年、それとは別に、行為の時から20年です。
起算点は「知った時」なので、気づいたのが後であればそこから数えます。相手がどこの誰か分からないうちは、3年のほうは進みません。
ここに書いた数字の使い方
以上は裁判例の傾向で、事案ごとの当てはめではありません。自分の場合いくらになるかは、事情を全部見た人でないと言えません。そこは弁護士の領分です。
知っておく意味があるのは、金額が何で動くかのほうです。それが分かっていれば、示された数字が高いのか低いのかの見当がつきます。